創作 彼女は決めた 3人の朝 彼はタンデムでハマさんの家まで送ってくれると言ったが、私は自転車で行くことに決めた。他人の身体に密着して、今まさに進んでいる道の先が見えない状態で、不安定なオートバイの上にただ乗せられている状態が好きではないからだ。何より、ハンドルではない... 2022.09.29 創作
創作 彼女は決めた SR400 「明日、ひとに会う予定ある?」「特に無いけど、どうしたの?」「なら、大丈夫だな」「何が大丈夫なのよ」「お通しだよ」「え?」「今日は宮古島バージョンの沖縄モズク」「あ、わかったわ」宮古島ではモズクにおろしにんにくを入れるのだ。それが、めちゃく... 2022.08.11 創作
回想 ばあちゃんとエンジンの音 私には、ばあちゃんが3人いる。父を生んだばあちゃん、母を生んだばあちゃん、母を育てたばあちゃんの3人だ。父を生んだばあちゃんは、私が生まれる前に死んだから会ったことがない。母を生んだばあちゃんと母は、母が3歳位の頃に別れた。母は、伯母にあた... 2022.08.10 回想
創作 彼はそこにいた 約束 (フリー素材使用)「コーラにする?」「はい、お願いします」「アイス乗せちゃう?」「あ、はい」「腹へってる?」「はい」「お任せでいいかな?」青年は、ほぼカウンターの中の彼の言いなりになっている。離れて座っているのに、こちらまで緊張が伝わってく... 2022.08.04 創作
創作 彼はそこにいた W再び (画像をお借りしました)「あら、これはどうしたの?」「お と お し」「いつもと違うじゃない」大きめな唐揚げのようなものが器に3個ほど乗っている。鶏の唐揚げではなさそうだ。「何だと思う?」「うーん。実は、知ってるわ」「何だよ」「イカメンチ。... 2022.08.01 創作
創作 彼女は決めた 契約 イメージ画像 横浜「私、決めたわ」「おお、行くのか?」「ええ」「羨ましいよ、俺も行きたい」今夜は角のハイボールはやめた。エビスビールにしてもらった。気分はもう北海道なのだ。北海道へ引っ越すという男性の名刺には、ありふれた苗字と名前が記載され... 2022.07.30 創作
創作 彼女は決めた プロローグ © わっかない観光活性化促進協議会さまよりお借りしました「私、決めたわ」「え?何をさ」「旅に出ることにした」「どこに?」「まず最初は、白い道を目指して行くつもりよ」コーラと氷を頼んで、角でコークハイを作って飲んでいる。絞ったライムが氷の上に... 2022.07.20 創作
創作 彼はそこにいた もう一人のW 「湿度が高いわね」「まったくだ」「気温はそんなに高くないのに暑苦しいわ」今日は店の扉は閉じられ、エアコンディショナーを除湿26℃に設定していると彼は言った。外は一日中、曇り空で、梅雨が明けたとは思えない天気が続いていた。カウンター席に座ると... 2022.07.11 創作
創作 彼はカリスマ SNSに忘れた頃に流れてくるオートバイを愛する彼のつぶやきや美しい写真は素敵だそれらのすべては丁寧に考え抜かれて完成したものばかりであるそして人々の心を捕らえて魅了するそのことを彼は知っているのだろうかまるで夏の夜の街灯に群がる雑多な虫のよ... 2022.07.08 創作