朝、膝と脛のプロテクターが届いた。
数日前、既に手元にあるヘルメットとグローブとジャケットを身に付けて考えた。これで準備万端か?
シューズは大人のライディングスクール参加時に履いていたトレッキングシューズを履く予定だ。それと、大好きなジーンズ。
しかし、肝心なくるぶしは守られていない。ステップに引っかかったことのある靴紐も実は心配だ。転倒すれば一番に傷むのは足だろう。
本当はもう資金的な余裕など無いのだ。
ネットで商品を検索しながら、よく考えた。命と身体の安全と、これから稼げばいいだけのお金とどちらが大切か。
モニターに現れたシューズの名前に一目ぼれした。elf。大好きな映画に出てきた妖精の部族の名前ではないか。
シューズだけは妥協せずに気に入ったものを買うことに決めた。
ここまできたら、完全装備だ。比較的安価で評価の高いラフアンドロードのプロテクターも注文した。今日届いたその商品はなかなか良かった。
あと数日でシューズが届く。ジャケットもグローブもヘルメットも、少しずつ慣れてきた。身に付けたイケてない自分の姿にも慣れてきつつある。
土用が終われば季節が変わる。そして心の準備も整うだろう。
なんともお金のかかる趣味ではある。オートバイはレンタルするとしても、レンタル代もばかにならない。予算的には月に一回乗れればいいくらいの資金しか無いのではないか?
だけど、駐車場も不要、保険代もメンテ代も不要、何よりも身内に内緒で乗る者には好都合としか言いようがない。
趣味?いや、オートバイに乗ることは、自分にとってそれ以上の意味があるとしか思えない。
買えるまで乗れないとなると、いつになるかわかりはしない。この世を去る時に後悔しないためには、これで正解だとしか思えない。
あとは、走り出すだけだ。
★写真は、初代セロー。優しい風貌の穏やかなオートバイだった。高速走行がつらくて手放したけど、どこへでも連れて行ってくれたのはこのセローだった。
2021年5月2日(日)
昨日シューズが届いた。早速履いてみた。ヘルメットとグローブ、ジーンズにプロテクターも付けてみた。
鏡の中の自分は、何かが何だかとっても変。そもそもこれらの装備は価格重視で選んだので、ファッション性は二の次なのだ。仕方がない。
かっこいい革のジャケットを一着買うお金で、ヘルメットからシューズまで揃えた自分の能力を褒めてあげよう。
お金のあるかっこいいライダーさんたちとは、自分は違うのだから。ぎりぎりの生活状態でも乗らずに人生を終えられない、そういうバイク乗りがひっそりいても良いではないか。
そんな自分はある意味かっこいいのではないか。と、自分で自分を肯定してみる。
つい最近アニメの「スーパーカブ」を3話まで見た。あのヒロインの大人しい女の子のように、一つ一つ自分に合ったものを取り入れていけば良いのだ。
ヒロインとは全く年代が違うけど、勇気をもらえる作品だった。
今夜もまた、フル装備で鏡の前に立ってみよう。
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