30数年前、私は片岡義男の小説に憧れて、オートバイで四国を一周した。
目的地をはっきり決めていたわけではなく、ほぼ時計回りに四国を一周するつもりで行った。もちろん、一人だ。
仙台から自走、途中信州や滋賀で一泊しつつ、どこから船で四国へ渡ったのだったか、宇高航路だったのか、記憶は曖昧だ。
十日間か一週間か、旅の間天候は曇りと雨の日が多かったことは覚えている。
特別な出会いは無かった。かわりに、歴史上の大人物との縁がこの旅をきっかけに結ばれていたことを、数十年後に知った。
写真はすべて、ポジフィルムをスキャンしたもの。撮影が下手なのと保存状態が良くないので、あまり美しくはない。
そして、どういうわけか順序がばらばらになっていて、旅の行程がわからなくなっている。
過去の四国の貴重な風景ではあるが、場所の名称も不明である点も含めて、ご了承いただきたい。
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見知らぬ人の言葉 旅の空 二
酷道走破の翌日、あまりにも天気が良くて、寺で借りた自転車で祖谷温泉へ向かった。左上は途中立ち寄った木村家住宅(徳島県三好市東祖谷)。
行きは良い良いだ。帰りは坂が上れず行きの何倍もの時間がかかり、日が暮れて夕食にも間に合わなかった。あまりにも若くて(ばかで)可愛くて、写真を晒してしまった。
上、安芸市の野良時計。下、たぶん、高知の街の露店で買ったてんぷらとトマト。てんぷらは、私が知っていたさつま揚げのようなもので、美味い。
ホクホクの土佐いものてんぷらと味が濃い中玉トマトはものすごく美味かった。これらの美味しさは今でも覚えている。小雨の中、海の岸壁で食べた。
御厨人窟(みくりど)。この旅の後、数十年も気がつかなかったのだが、ここで修行された大人物が私の人生に同行二人されていたと思われる。気が付けばその後の人生で、なぜだか弘法大師所縁の人や場所や物事との縁が増えたのである。
上、土佐の寿司?初めて見る、初めての味だった。甘酸っぱい寿司だったかな、美味しかった。下、サニーロード。このあたりから記憶が飛んでいる。
たぶん、道後温泉と、旅の終盤の瀬戸内海。旅の後半は、記憶も写真もほとんど無い。きっと雨と冷えと長い道程に疲れ果てていたのだろう。
無事仙台に帰宅できたのは、奇跡的なことだったかもしれない。同走二人、弘法大師がバックシートに乗って励ましてくれていたのかも?
(写真はすべて1989.5四国にて)
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