あてもなく走った道の先はいつだって見えなかった。
目的地なんて特に無かった。
だけど走っているときのその場所がわたしにとって最適な居場所だった。
命あること、
止まることのないエンジンと心臓の鼓動、
太陽の光の暖かさ、
心地良い風、
すれ違う旅の人、
幻のピースサイン、
長距離トラックのテールランプ、
街角の自動販売機の灯り、
路上で働く肉体労働のおじさんおばさん、
流れる雲、
赤い夕陽、
星、月、
沈丁花の香り、
遠い街の灯、
道の先の光る海、
桜吹雪の道の川、
枯れ葉踊る道、
誰もいない林道、
遠くの山々、
国道のラーメン屋台、
遠い街の距離を示す標識、
一羽の鳶、
他県ナンバー、
闇が訪れる恐怖、
月明り、
こわばった身体をとろけさせるお風呂と身体が心から喜ぶ食事。
命あることに感謝する至福の時間。
すべてのことに感謝する旅の夜。
心地良い眠りのとき。
★場所の情報など
カメラはたぶん、オリンパスOM1
写真はスライドをスキャンしたんだったかな。
場所は、琵琶湖(沖縄か?)、岩手、宮城あたり。
年月日は不明。かなり昔。
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