彼はカリスマ

SNSに忘れた頃に流れてくるオートバイを愛する彼のつぶやきや美しい写真は素敵だ

それらのすべては丁寧に考え抜かれて完成したものばかりである

そして人々の心を捕らえて魅了する

そのことを彼は知っているのだろうか

まるで夏の夜の街灯に群がる雑多な虫のように近づいてくる様々な人々

彼が求めているのは煩い小虫ではない

キラキラ光る宝石のようなタマムシやカブトムシやクワガタムシや小さな光を灯すホタル

夜に飛ぶはずのない美しいアゲハ蝶

彼は煩い小虫を容赦なく追い払う

彼にとって価値のある虫だけをそこに残しておくためだ

親しい言葉を交わした小虫たちも追い払われた

そしていつしか心が疲れてしまった

小虫たちの嘆き悲しむ囁きがふと聞こえたからだ

彼はその美しい場所を去ろうとした

けれど彼は戻ってきた

なぜかはわからない

彼の存在を求める多くの声が聞こえたからかもしれない

彼が放出する言葉や写真が魅力的である限り小虫はどんどん寄ってくるばかりだろう

小虫との関りを避けたければ彼はその魅力を放棄する以外にないのだ

ただの普通のおっさんに成り下がる意外に道は無い

これは、晴天の空の下で草むしりをしている時に天から降ってきた物語です。

モデルになったと思われる方、あなたはとってもカリスマなのです。自覚してください。

モデルは複数名いらっしゃいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました