彼らの旅 私の旅 旅の前にコンカツを

自由で良かった、そう言ってはみたけれど、コンカツも辞めたわけではない。なんとなく出会い系サイトをダラダラと続けている。

 

薬や病院や病気の話で盛り上がる老人より、旅やバイクの話ばかりしてる愚かな老人になりたい。そんなパートナーなら最高だと思う。

 

そうは言っても、出会い系サイトの反応は鈍い。バイク乗り限定という条件を打ち出しているせいもあるのだろうか。

 

地域は全国に設定してあるから、遠くのバイク乗りの足跡も多い。近隣の登録者はほとんどいない。これは地域性を表しているのだろうか。

 

地元の登録者がいたとしてもバイク乗りではなく、顔写真を公開している人も少ない。この街には何かがあるのか。開放されない人の闇のようなものが。

 

しかし、なぜこの私がコンカツなのか。考えてみると自分でもわからない。

 

本当に欲しいのは、自由と経済力だ。それらがあれば、1人のほうが快適に違いない。寂しいという感情があまり無いのだ。

 

それとも、2人であることに、まだ知らない幸せと心地よさというものがあるのだろうか。

 

2か月後には北海道への旅が控えている。こんなことをしている場合ではない。

 

「集合場所は俺が考えて手配しておくよ」

 

とマスターが言っていたから、私たちは自分が走るルートと集合場所以外の宿泊場所を決めるだけでいい。

 

地元のみんなは仙台港発の同じフェリーで北海道へ渡ることになっている。その後はそれぞれ自由行動だ。

 

私とソーダ水の君はハマさんのところまで一緒に走る。その2日間ほどでソーダ水の君も旅に慣れるだろう。その後はそれぞれ一人で走る。

 

ハマさんがソーダ水の君に同行する可能性はあるけれど。それも彼らの自由だ。

 

さて、私はどこへ行こう。どんな道を走って、どこで夜を過ごそう。こうしてコンカツのことなど忘れていくのだろうか。

 

Googleマップに行きたい場所をマーキングしていく。だんだん楽しくなってきた。いよいよ旅の始まりだ。

 

つづく

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