彼らの旅 私の旅 とあるオートバイ乗りの場合 その2(創作です)

「俺も行きたいなあ・・・」

無意識に声に出ていた

 

北海道か

行けないとは言ったものの、やはり気になって仕方がない

彼らにまた会いたい気持ちもある

うーむ

 

「お父さんたら、北海道に行きたい気持ちが全身からもれもれよ!行っちゃえばいいのに」

気づいたら娘が傍にいた

さっきのつぶやきを聞かれてしまったらしい

 

仕事も押していたが夏の家族旅行のために資金と時間を残しておきたかったのだ

子どもたちが結婚したり就職したりして家を出る前に思い出をたくさんつくっておきたいし

 

娘はこんなことも言った

「私たちとの旅行は延期してもいいんだよ。私たちだってたまには友達と旅行に行きたいし。もちろんどっちも行けたら楽しいけど」

 

ぐずぐずと返事もできずにいる俺に娘はさらに言った

「お父さんたらぜんぜん仕事が手につかないみたいだし。お母さん後ろに積んで行っちゃえば?」

 

大洗からフェリーに乗って約18時間で苫小牧か

そこから走ってキャンプ場まではそう遠くない

最低でも4日もあればちょっとしたツーリングもしてこれるだろう

まったく無理というわけではないな・・・

 

そもそも時間の自由を得るために今の仕事をしているわけで・・・

娘は言うだけ言って出かけたらしい

 

しばらく空想を巡らせながら俺はぼんやりとしていた

その後ほぼ無意識にパソコンで商船三井のフェリーを検索していた

 

なんと初夏割りというのをやっている

旅客運賃15%割引/乗用車運賃5%割引だそうだ

バイクの割引と併用も可なのか?

 

ふーん

2人で3万5千円程度?往復で7万円か・・・

日程としては軽いけど費用的にはちょっとした旅だな

 

1人で行くか?

いや、行きたがるだろうな彼女も

 

 

つづく

 

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