私の旅 実話編 チャンスに後ろ髪は無い

前述した話の繰り返しになるが、ちょうど1週間前、1つのチャンスがふいに飛び込んできた。それは、SNSのDMへ。

 

手放そうとしているバイクを無料貸与して下さるという申し出だった。バイクの車種は特に好みのタイプではないが、嫌いなタイプでもなかった。

 

あれやこれやと空想しては、良いんじゃないかと心が動いた。電車で受け取りに行って、帰りのルートは海沿いか、あるいは4号線下道を自走するかとも考えた。

 

自分にできるだろうか、できるかもしれない。サポートを誰かにお願いして、伴走してもらうことも考えた。

 

信頼できる人に無料貸与の件を相談してみた。あまり良い返事ではなかったが、バイクに関しては、けっこう良いバイクで、改造されていても問題なさそうとの回答もあり。

 

あれやこれやと考えた。そして、けっきょく、ありがたい申し出を辞退した。

 

それで終わりかと思ったが、新たな申し出をいただいた。気に入ったバイクを買うための資金を融資しようかという話だった。

 

このつたない自己満足のブログを読んで下さり、シンパシーを感じるとまで言って下さった。かなり身分の高いお方のようだ。残念ながら、私は世に疎い。どれほど大人物なのかピンとこなかった。

 

無料貸与、融資の申し出は、実際に私がバイクに乗ってからのストーリーやつぶやきを読んでみたい、それが1つの理由だとのこと。思うようにならず困っている年寄りを助けたい、そんな思いだとも。

 

あり得ない話ではない。世の中にはそういう出来事は、きっとごまんとあるのだろう。しかし、それがいざ自分の身に及ぶとなると話は別だ。

 

迷った。占いでは幸運月、チャンスが来る、チャンスはつかめとの予言あり。これなのか、このことなのか?ならば、つかみ取るべきなのだろうか。

 

そしてまた、冷静な知人に相談した。やめておいたほうがいいとの回答あり。自分の心の奥の答えも同じだった。お金がらみは怖い。身内でさえロクなことにならない。それは身の回りに実際にある話でもあった。

 

他人の世話になっても楽しくバイクに乗り続けることはできないのでは、そう言われると確かにそう思えた。

 

後ろ髪を引かれながら、2つ目のチャンスも手放した。快く辞退を許していただいた。

 

そしてまた振出しに戻った。いや、実際にバイク屋へ足を運んでこの目で見てきたのだから、一歩は進んだと言えるかもしれないが。

 

こんなチャンスは人生に何度もあることではない。そして、チャンスには後ろ髪は無いのである。掴もうと思っても通り過ぎたものを捕まえることは不可能なのだ。

 

出会い系は、お互いに別れを告げたはずのちっこいオープンカーの男が、未練がましく足跡を残していたので、なんとなく怖くなってブロックした。

 

その後、新たに2人から日替わりでメッセージが入ったが、オープンカーの男と住まいの町が同じだったため、あれこれと嫌な想像をして怖くなり、2人ともブロックした。

 

そんなこんなで、もう、運は尽きたかのような気持ちになっている。掴むべきチャンスはまた訪れてくれるのだろうか。運は活かさないと無駄になる。行動しないと運は活かされない。

 

ぼやいている場合ではないのだ。

 

しかし、もしかしたらと思うのだ。手に入らないからこそ、このようなブログを書けるのではないか。実際にバイクに乗ったら、書くことよりも走ることに心が移ってしまうのではないか。

 

バイクに乗っていた頃の過去の日記が、ほとんど残っていないように。

 

それよりも、自分は本当にバイクに乗りたいのか?それすらわからなくなってきた。

 

 

つづく

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