20数年使い続けたラジカセの接触不良でイラっとする朝がいつの頃か増えた。音はまだ十分に聞けるけど、そろそろ新しいものを買おうと決意した。地震も続き、いざというときに役立つラジオも欲しかった。
ソーラーとUSBと電池、3通りの電源を使える中国製のラジオを買った。小型で値段も3千円台。デザインはレトロなおもちゃ風。
それが昨日届いた。電池も入っていないのに、スイッチを入れるとすぐ音が出た。中国語だった。チューニングしたら、20数年間使っているラジカセから部屋に流れているラジオ局と同じ音声が流れてきた。
というわけで、新しいラジオを買った記念、大事な人からいただいたラジカセをとうとう手放す記念として、ラジオ関連の印象的な思い出をつづっていた日記をこちらにも移しておこうと思う。
(ここから2020.8.14に書いたもの)
私には毎週、毎年、楽しみにしているラジオ番組がある。
毎週楽しみにしているのは、土曜日朝、ピーター・バラカンの「ウィークエンド・サンシャイン」同じく土曜日午前中、ゴンチチの「世界の快適音楽セレクション」
毎年楽しみにしているのが、お盆期間とお正月期間の数日しか放送しない「クロスオーバーイレブン」
ちょうど今夜も11時から1時間ほど放送する。今夜が最終夜らしい。毎晩聴き逃してしまっているので、今、らじるらじるで数日前の放送を聞いている。
たまたまどの番組もNHKのFMだ。選曲が良くて、とても気に入っている。新しい曲と出会うのは、ほとんどそれらのラジオ番組だ。
私とラジオの関係は、けっこう長い。どちらかというと孤独ぎみだった中学生くらいの青春時代から、ラジオは私にとってなくてはならない存在だった。
地元の放送局の番組を楽しみに聞き、投稿や懸賞の応募はがきをたくさん出したものだった。アナウンサーのサインや、大好きだった古谷一行のアルバムなんかもいただいた。
学生時代になるといい友達もたくさんできて孤独ではなかったけど、ラジオは夜の貴重な楽しみだった。素敵な曲と出会ったり、悩みごとを他人と共有したり、笑いや涙があったりもした。
よく聞いていた番組は、オールナイトニッポン。特に中島みゆきと松山千春が大好きだった。
一人旅を覚え、オートバイと出会ってからは、旅に携帯ラジオを持っていくようになった。小さな箱からかすかに聞こえてくる、その地方ごとのローカル番組や、ふと懐かしい曲。
心を揺さぶられるような音楽との出会いもあった。旅にはなぜか、普段聞かない演歌もとてもよく似合った。
沖縄へのオートバイ旅行の帰りの航路では、感傷的な気持ちで、海や遠くに見える日本列島の陸地を眺めながら、デッキにしゃがみこんでラジオを聞いた。
船が東に移動すると、ラジオから聞こえてくる放送局も変わる。チューニングしながら聞いていると、通り過ぎようとしている陸地の地名が聞こえてきて、ドキドキした。
四国沖あたりだったろうか、その頃好きだったマドンナの曲が流れてきた。沖縄で出会って分かれてきた人たちのことを思い出したりして涙が出た。
これからも、ラジオは私の人生に無くてはならないものの一つであろうと思う。
ネットでラジオが聞けるradiko(ラジコ)には「ラジオを聴き続けると脳が成長する」と書いてある。そういう研究をしているところがあるらしい。
つい先日見たドキュメンタリー映画「パーソナル・ソング」では、アイポッドで若い頃の思い出の曲などを認知症や施設でぼんやりと暮らす老人たちに聞かせると、踊り始めたり、過去の記憶を話し始めたり、明るい表情になったりすることが取材されている。
音楽やラジオが人に与える影響は、思った以上にとても偉大なもののようだ。
携帯ラジオがひとつ欲しくなった。スマホではなく、箱型の電池を入れるタイプのシンプルなラジオが。
追記
好きなラジオ番組がもっとあった。
デイトエフエム 尾形和優 ~Starting Over~
デイトエフエム ユキ・ラインハルト ~A・O・R~
デイトエフエム 33rpm
コメント